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脊柱管が狭くなり腰の痛みや脚のしびれを起こす|腰部脊柱管狭窄症の症状と治療法

2023年10月08日

背骨には、脳から続く神経である脊髄が通るトンネルがあります。これを脊柱管と呼びます。脊柱管狭窄症は、骨や靭帯の肥厚、椎間板の突出などで、脊柱管が狭くなり、脊髄が圧迫され、腰の痛みや脚のしびれなどの症状を起こすものです。

 

この記事では、腰部の脊柱管が狭くなることで腰の痛みや脚のしびれが起こる「腰部脊柱管狭窄症」について解説します。

 

腰部脊柱管狭窄症とは?

 

脳から伸びた脊髄は、脊椎の真ん中にある脊柱管という神経の通り道を通って枝分かれしながら末梢につながっています。この脊柱管が狭くなることで、脊髄から分かれた神経根や馬尾神経などを圧迫し、障害が起こった状態を「腰部脊柱管狭窄症」といいます。

 

【正常な脊柱管】

normal-spinal-canal

【脊柱管狭窄症】

spinal-canal-stenosis  

【正常な脊柱管と腰部脊柱管狭窄症の違い】

difference-between-normal-spinal-canal-and-lumbar-spinal-stenosis

腰部脊柱管狭窄症の症状は3タイプ

脊柱管狭窄症による腰痛は慢性的で、足の痛みやしびれを伴うことが多いのが特徴です。背筋を伸ばしたり、背中を後ろに反らせたりすると症状が現れやすくなります。

 

どこの神経が圧迫されているかで症状が異なり、「神経根型」、「馬尾型」、「混合型」に大きく分類できます。

 

神経根型は片足に症状が現れることが多く、おしりから太ももの後ろに痛みが走る、いわゆる座骨神経痛がよくみられます。

 

馬尾型は下半身の広い範囲に症状が及び、しびれや麻痺など、より重い症状が両脚に起こります。便秘や排尿などの排泄障害、男性では異常な勃起状態、脚全体の脱力感などが現れることがあります。

 

混合型では神経根型と馬尾型の両方の症状が現れます。

 

【神経根型】

nerve-root-type

【馬尾型】

cauda-equina

【混合型】

mixed-type

3タイプに共通している特徴的な症状に、「間欠跛行」(かんけつはこう)があります。これは、歩いているうちに神経の圧力が強まり、痛みやしびれのため歩き続けられなくなるものです。座ったり前かがみになったりして休むと、また歩けるようになります。

 

【間欠跛行の症状】

symptoms-of-intermittent-lameness

腰部脊柱管狭窄症の原因

腰部脊柱管狭窄症の原因で最も多いのが、加齢による脊椎の変性によって起こるものです。腰椎が老化して、骨棘(こっきょく)ができる変形性腰椎症や椎間板がふくらみ、椎間関節部分の靭帯である黄色靭帯が厚くなることで、脊柱管が狭くなるケースです。

 

生まれつき脊柱管が狭い人はこの病気になりやすく、30~40代で発症し、重症化しやすいのが特徴です。また、「腰椎分離症」「腰椎変性すべり症」、外傷や腰椎の手術などから起こる場合もあります。

足の痛みやしびれで歩行困難となることも

腰部脊柱管狭窄症は、50~60代の人に最も多く、後ろに曲げると痛みが強くなる腰痛に加え、足の痛みやしびれが起こります。

 

足からおしりにかけての痛みは、主に片側に出ますが、両足に痛みが出ることもあり、しびれや脱力感、残尿感、排便異常などが起こる場合もあります。

 

また、歩行時に痛みが出て、歩ける距離が短くなっていくのもこの病気の特徴です。

腰部脊柱管狭窄症の治療

腰部脊柱管狭窄症の治療は、著しい脚の麻痺や排泄障害などの症状がある場合を除いて、コルセットの着用、消炎鎮痛薬などの薬物療法、神経ブロック療法など、痛みの状態に合わせて治療方針が決められます。

 

特に神経根型は、こうした保存療法で症状が軽減することが少なくありません。

 

また、馬尾型に対しては血管拡張薬のプロスタグランジンE1に、神経の血流を良くして、脚の痛みやしびれ、間欠跛行を改善する効果があることが分かっています。

 

痛みやしびれ、間欠跛行などがあると、日常生活が制限されてしまいがちですが、安静にしすぎるのはよくありません。なぜなら、循環機能や呼吸機能の低下、関節が動きにくくなる、筋力が低下するなどの二次的弊害が起こりかねないからです。

 

できるだけ運動療法を行って、体を動かすことで症状の改善を目指すことができます。

 

また、日常生活の姿勢や動作の改善でも症状を軽くすることができます。このような保存療法を続けても効果が得られず、日常生活に支障が出る場合は、手術が検討されます。

腰部脊柱管狭窄症の人の日常生活の注意点

・できる限り体を反る姿勢をとらない

・立ちっぱなしは避ける

・歩くときは前かがみの姿勢をとる

・歩くのがつらいときは手押し車や杖を使う

・長く歩くときは途中で適度に休憩を入れる

・自転車に乗れる場合は自転車で移動する

・太っている人は適正な体重に落とし、腹筋をつけるように努力する

・体を冷やさない

手術が検討される場合

間欠跛行であまり歩けなくなった、排泄障害あるなど麻痺が起こっている場合には、急いで手術が検討されます。神経を圧迫された状態が長く続くと、手術をしても症状が残る可能性が高くなるからです。

 

また、保存療法を十分行っても症状が改善されない場合も、日常生活の支障の度合いやライフスタイルなどに応じて手術を考えます。とくに馬尾型で、発症してから6カ月くらいが目安になります。

腰部脊柱管狭窄症の手術

腰部脊柱管狭窄症の手術は、神経が圧迫されている部分の椎弓を削って、神経の通るスペースを広げる「椎弓切除術」を行います。椎骨にずれや、すべりを生じている場合には、「脊椎固定術」をあわせて行います。

まとめ

腰部脊柱管狭窄症は、神経の通り道となる脊柱管が圧迫され、腰痛や下肢痛などが生じるものです。先天的に脊柱管が狭い人に起こりやすい病気ですが、ほとんどの場合、後天的な要因で発症します。

 

脊柱管の狭窄は、椎間関節の変形、腰椎変性すべり症、などで起こり、40歳代後半から70歳代にかけて多く、特に50歳代~60歳代の女性に多くみられます。

 

薬や運動で日常生活を改善する保存療法での治療が行われますが、保存療法でも症状が改善しない場合は、手術が検討されます。

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