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生活習慣病

内臓脂肪や脂質異常、高血圧や高血糖など生活習慣病は生活改善と定期的な効果測定で進行を食い止め改善しましょう

生活習慣病の予防には

がん、循環器疾患、糖尿病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの生活習慣病は、私たちの医療費の約3割、死亡者数の約6割を占めており、急速に進む高齢化を背景として、その予防は私たちの健康を守るために、大変重要となっています。生活習慣病を未然に防ぐには、自らの健康状態を把握し、1、身体活動・運動 2、栄養食生活 3、飲酒・たばこの3つの生活習慣を改善し、定期的な効果測定を継続する事で 肥満・メタボリックシンドロームや高血圧、脂質異常症、血糖値の上昇を抑えることができます。

メタボリックシンドロームとは、何ですか?

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、メタボと略され、すっかり人々の間に浸透しました。メタボリックシンドロームとは、下の図のように、「内臓脂肪型肥満」に加えて、①高血圧である、②血糖値が高い、または③HDLコレステロールが低いか中性脂肪が高い、の3つのうち、いずれか2つ以上に当てはまる状態をいいます。

メタボリックシンドロームの診断基準

内臓脂肪の蓄積
腹囲(へそまわり) 男性:85cm以上
女性:90cm以上

(男女ともに、腹部CT検査の内臓脂肪面積が100cm2以上に相当)
内臓脂肪の蓄積をチェックします。肥満の判定によく用いられるBM(I 体格指数)ではなく、腹囲で判定します。

内臓脂肪の蓄積に加えて、下記の2つ以上の項目が当てはまるとメタボリックシンドロームと診断されます。

脂質異常
中性脂肪
HDLコレステロール
150mg/dL以上
40mg/dL未満

のいずれかまたは両方
メタボリックシンドロームでは、過剰な中性脂肪の増加とHDLコレステロールの減少が問題となります。
高血圧
最高(収縮期)血圧
最低(拡張期)血圧
130mmHg以上
85mmHg以上

のいずれかまたは両方
高血圧症と診断される「最高(収縮期)血圧140mmHg以上/最低(拡張期)血圧90mmHg以上」より低めの数値がメタボリックシンドロームの診断基準となっています。*
高血糖
空腹時血糖値 110mg/dL以上
糖尿病と診断される「空腹時血糖値126mg/dL以上」より低めの数値で、「境界型」に分類される糖尿病の一歩手前がメタボリックシンドロームの診断基準となっています。*

* 高血圧、高血糖は「病気のレベル」に達しない「予備群レベルの軽度の異常」でも、重なることにより心筋梗塞・脳卒中の危険度を高めるので、この基準が定められました。

なぜ肥満になってしまうのでしょうか?

空腹時血糖値

食事によって摂取したエネルギーが、日常生活の中で使われるエネルギーを上回ると、余ったエネルギーが内臓脂肪として蓄積されます。

エネルギーが余ってしまう原因は、食べ過ぎや運動不足などのほかに、加齢、筋肉量の減少による基礎代謝量の低下が挙げられます。

つまり、基礎代謝の高かった若いころと同じような食生活を続けていては、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り、太ってしまうのです。

なぜメタボリックシンドロームは注意が必要なのですか?

内臓脂肪がたまると、脂肪細胞から糖尿病や高血圧症、脂質異常症を引き起こす悪い物質が多く分泌されます。
そのため、「内臓脂肪型肥満」の人の多くは、血糖値、血圧、中性脂肪、コレステロール値に異常が出やすくなるのです。
これらの危険因子が多ければ多いほど動脈硬化が進行しやすく、脳卒中や心疾患、糖尿病などの疾患を引き起こしやすくなります。
危険因子の数が増えるほど冠動脈疾患、脳卒中を起こしやすい

空腹時血糖値グラフ

どのような対策をすればよいですか?

どのような対策をすればよいですか?

健診で、からだの状態を毎年チェックしましょう。特定保健指導のご案内が届いたら、積極的に受けてください。
専門家のアドバイスを受けながら、からだのメンテナンスをしましょう。カロリーが高い食品を減らしたり、なるべく歩くようにするなど、普段の生活の中で変えられる行動をみつけていきます。
内臓脂肪を少しずつ減らすことが重要です。いきなり基準値以下を目指さなくても、体重を3~4%ほど減らすだけで、十分効果があります。血糖値や血圧、中性脂肪の値もよくなります。
無理をしない程度に、毎日少しずつ続けることが大切です。体重と腹囲という、わかりやすい指標をもとに、ご自身の健康を管理しましょう。

生活習慣病とは…

生活習慣病は、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」のことを指しており、例えば以下のような疾患が含まれるとされています。

食 習 慣: インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高尿酸血症、循環器病(先天性のものを除く)、大腸がん(家族性のものを除く)、歯周病等

運動習慣: インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高血圧症等

喫  煙: 肺扁平上皮がん、循環器病(先天性のものを除く)、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病等

飲  酒: アルコール性肝疾患等

血圧とは

血圧は一般的には動脈内部の圧力のことを指し、血圧値は心臓から送り出される血液の量と血管の抵抗で決まります。
血圧は心臓の収縮に伴って大きく変動し、通常、最大となる値(収縮期血圧)と最小になる値(拡張期血圧)で示されます。

どのくらいから高血圧?

高血圧診断基準

診察室(病院や健診)で測定したときは収縮期血圧140以上、拡張期血圧90以上です(単位はmmHg)。上の血圧でも下の血圧でもこの基準を超えていると高血圧と判定されます。
あなたの血圧は大丈夫?
血圧の値が高くなるにしたがいⅠ度からⅢ度までの高血圧に分けられます。また高血圧でない場合は正常域血圧となりますが、これも3つの区分に分けられ、一番低い区分(収縮期血圧120mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満)を至適血圧といいます。

血圧の詳細区分(mmHg)

血圧の詳細区分

なぜ血圧が高いと注意が必要なの?

血圧が高い状態が続くと、血管は張りつめた状態に長くおかれるため、次第に厚く硬くなり、血管本来のしなやかさを失ってもろくなってしまいます(動脈硬化)。
自覚がないまま動脈硬化は進行し、やがて循環器病(脳卒中や心疾患など)を引き起こしやすくなるのです。これが血圧が高いと注意が必要な理由です。
血圧が高いと循環器病になりやすい。
下図は血圧測定した人をその後何年も追跡して、どんな人が循環器病になりやすいかを調べた調査から作成しました。
この図では至適血圧の人と比べてどのくらい循環器病になりやすいかをおおよその倍率で示しています。血圧が高くなるほど循環器病になりやすいことが一目瞭然です。
例え正常域血圧の中でも血圧が高めのほうが循環器病になりやすいことを覚えておいてください。それぞれの血圧レベルに応じて、とりあえずどうすればよいかも示しています。至適血圧以外の人は生活習慣の改善が必要です。

  
血圧と循環器病のリスク

血圧と循環器病のリスク

血圧を下げるには

塩分のとり過ぎ、野菜・果物の不足、肥満、運動不足、多量飲酒などの生活習慣は血圧を上昇させます。これらに当てはまるものがあればぜひ改善に取り組みましょう。
さらに高血圧の人はかかりつけ医の判断で必要があれば服薬治療の対象になることがあります。多くの研究で血圧を下げると放置した場合よりも循環器病の危険度が大きく減ることが示されています。

高血圧を予防・改善する生活習慣
高血圧を予防・改善w
塩分をとり過ぎない

塩分をとり過ぎると、体内に水分が蓄積し血液量を増加させて、血圧が上昇します。
できるところから減塩に取り組みましょう。

バランスのとれた食生活
バランスのとれた食生活をこころがける

野菜や果物は、体内の余分なナトリウム(塩分)を排泄するカリウムを含んでいるので積極的にとりましょう。
また、コレストロールや飽和脂肪酸を控え、魚も積極的にとるようにしましょう。
※果物には糖分も多く含まれますので、食べ過ぎに注意しうましょう。

適正な体重
適正な体重を維持する

肥満は高血圧の原因です。
目標はBMI(体格指数:【体重(kg)】÷【(身長m)²】が25未満です。
太り過ぎの人は減量に取り組みましょう。

からだを動かす
定期的にからだを動かす

有酸素運動などでからだを動かすと、血圧を下げる効果があるだけではなく、肥満の防止・解消にも効果的です。
※治療中の方は、医師にご相談ください。

お酒は適度に
お酒は適度に楽しむ

多量飲酒は血圧を上昇させ、脳卒中や心疾患を引き起こします。
また、肝臓病やがんの原因にもなりますので、飲み過ぎには気をつけましょう。

喫煙
禁煙を行う

喫煙には一時的に血圧が上がるばかりでなく、虚血性心疾患や脳卒中の危険性を高めます。
禁煙に取り組み、受動喫煙にも気をつけましょう。

その他
ストレスをためない
ストレスをためない

休養を十分にとり、疲れを残さないようにしましょう。また、自分なりのリラックス方法をみつけましょう。

急激な温度差に気をつける

暖かいところから、急に寒いところへ行くと血管が収縮し血圧が上がります。
治療中の方は、寒い季節には室内と外気の差がなるべく少なくなるようにしましょう。
また、入浴の際には、熱い湯はさけて長湯をしないようにしましょう。

家で測った血圧は?

家で測った血圧

最近は電気店等で手軽に購入できる自動血圧計が普及したので家で血圧を測定している人も多いと思います。家庭血圧も高血圧の治療を考えていくうえでなくてはならない大事な情報になっています。
家で血圧を測るときは、朝なら起きてから1時間以内、夜なら寝る前がよいでしょう。血圧計は二の腕(上腕)に巻きつけるタイプがお勧めです。血圧は座った姿勢で測り、測定前に必ず1~2分間安静にしてください。測定回数は原則2回でその平均をとります。何度も測定してよい値だけを記録することはしないようにしてください。

家庭血圧の診断基準
高血圧診断基準2

家庭血圧での高血圧の診断基準は上も下も診察室(病院や健診)より5mmHg低いことに注意してください。

診察室では正常でも家庭血圧がこの値を超えていれば医学的に高血圧と診断されます。

白衣高血圧と仮面高血圧

健診や病院では血圧が高いが家では高くないという人をよく見かけます。これは白衣高血圧とよばれる状態で緊張が原因です。このタイプの人は一時的に血圧が上がっているだけのことが多いと考えられています。

白衣高血圧と仮面高血圧

一方、病院では血圧が高くないのに家では高いという人もいて、これは仮面高血圧とよばれています。
このタイプは逆に血圧が高い時間が長く続いている可能性があります。この二つを比べると仮面高血圧のほうが循環器病になりやすいことが知られています。
仮面高血圧は家庭血圧を測定しない限り診断できないので家で血圧を測って記録する習慣を身につけ、気になったらかかりつけ医に相談するようにすればよいでしょう。

ストレスは血圧アップ

図は診察室血圧と家庭血圧を組み合わせた分類です。最も危ないのは持続性高血圧ですが、仮面高血圧もかなりハイリスクです。なお白衣高血圧はそのうち持続性高血圧に移行する場合があるので、当面の危険度は低いのですが定期的な家庭血圧測定で経過をみていくことが望まれます。

血圧のタイプ

血圧のタイプ

年齢を重ねるにつれ、血管はだんだんしなやかさを失い、徐々に硬くなっていきます(動脈硬化)。誰しもある程度の動脈硬化を避けることはできませんが、血液中の脂質のバランスが崩れていると、動脈硬化が非常に早く進みます。
動脈硬化は自覚症状がないまま進行し、ある日突然脳卒中や心筋梗塞などの命に関わる病気を引き起こします。

脂質異常症とは

血液検査でLDLコレステロールが高い、中性脂肪(トリグリセライド)が高い状態を以前は「高脂血症」とよんでいました。文字どおり血液中の油脂が高くなっている状態です。
健診で測定される脂質には表で示した3つがあり、ほかに血中のコレステロールを全て合計した総コレステロールという指標もあります。
それぞれの判定基準も表に示していますが、この値は「食生活の見直しや運動で血中の脂質を改善したほうがよい」という警告が出ているレベルです。薬物治療開始の基準ではありません。

脂質異常症の判定基準値
LDLコレステロール 140mg/dL以上高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール 40mg/dL未満低HDLコレステロール血症
中性脂肪(トリグリセライド) 150mg/dL以上高トリグリセライド血症

※服薬開始の基準ではなく、生活習慣の改善が必要とされる目安です

日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版」より作成 基準値をよくみるとLDLコレステロールと中性脂肪(トリグリセライド)は基準値以上に高い場合に、それぞれ高LDLコレステロール血症、高トリグリセライド血症として問題となるのに対して、HDLコレステロールは低いほうを低HDLコレステロール血症として問題にします。
これが「高脂血症」という言葉が使われなくなった理由です。
※厳密には中性脂肪=トリグリセライドではありませんが、ここでは健康診断などでの一般的な用法に合わせています

LDLコレステロールとHDLコレステロールって何?

意外かもしれませんが、1日に食事からとるコレステロールの量は1グラムにもなりません。実際、血中のコレステロールの大部分は肝臓で合成されたものなのです。肝臓でつくられたコレステロールは血中へ出てきて全身へ送られ細胞膜やホルモンなどをつくる材料として使われます。 しかし血中のコレステロールが必要以上に多くなると、余分なコレステロールが動脈の血管の内側にたまって「こぶ」のようなものをつくります。これが動脈硬化(アテローム性動脈硬化)とよばれる状態です。

一方、逆に血管から肝臓へ向かうコレステロールもあり、これが多いと血管にコレステロールがたまりにくくなるので動脈硬化は進みにくくなります。実は血管へ向かうコレステロールをLDLコレステロール、肝臓へ向かうコレステロールをHDLコレステロールとよんでいます。
わかりやすくするためにLDLコレステロールを悪玉コレステロール、HDLコレステロールを善玉コレステロールという場合もありますが、コレステロールの種類が違うわけではありません。

コレステロールの運搬

コレステロールの運搬

中性脂肪(トリグリセライド)って何?

中性脂肪

中性脂肪(トリグリセライド)はグリセリン(モノグリセライド)に3つの脂肪酸がくっついてできています。コレステロールがからだを構成するための材料として使われるのに対して、からだを動かすための燃料のような役割を果たしています。
からだを動かすときにまず使われるエネルギー源(燃料)は血糖なのですが、中性脂肪は血糖に次ぐ予備燃料のような役割を果たしています。食事からとる脂肪のほとんどはこの中性脂肪になります。肉の脂身など通常頭に思い浮かぶ油脂はほとんどが中性脂肪です。
したがって食後には血中レベルが高くなり空腹で採血しないと正しい値が測定できません。また、通常中性脂肪が高い人はHDLコレステロールが低いという現象がよくみられます。

なぜ脂質異常症は注意が必要なの?

脂質異常症があっても、通常何の症状もありません。では、どうして健診で測定しているのかというとコレステロールが高いと動脈硬化を起こしやすいからです。
動脈硬化を起こし、心筋梗塞や脳梗塞の原因に動脈硬化が進むと血管が狭くなり血液の流れを妨げます。これが心臓の筋肉に酸素と栄養を送っている冠状動脈に起こると危険です。
冠状動脈が狭くなっているとき、運動など心臓の筋肉がたくさんの酸素を必要とするような行為を行うと狭心症を発症することがあります。
また動脈硬化のこぶが破れるとそこで急に血液が固まって血塊をつくり、そこから先へ血液が流れなくなります。血液が流れなくなるとその先が壊死してしまうので緊急事態となります。
これが冠状動脈で起こったのが心筋梗塞(狭心症と合わせて虚血性心疾患とよびます)、脳の動脈に起こったのが脳梗塞(特に皮質系脳梗塞)ということになります。

脂質異常症

コレステロール値と心筋梗塞の危険性

この図は、LDLコレステロールを測定した人を何年も追跡してどんな人が心筋梗塞になりやすいかを調べた調査から作成しました。
ここではLDLコレステロール140mg/dL未満の人と比べてどのくらい心筋梗塞になりやすいかをおおよその倍率で示しています。LDLコレステロールが高くなるほど心筋梗塞になりやすいことが一目瞭然です。 中性脂肪が高い場合も虚血性心疾患を発症しやすいといわれていて、特に300mg/dLを超えるとリスクが高くなります。またHDLコレステロールが40mg/dL未満と低い場合も虚血性心疾患になりやすいことがわかっています。
また高トリグリセライド血症や低HDLコレステロール血症は、メタボリックシンドロームの一部で、内臓脂肪の蓄積を反映している場合もあります。

LDLコレステロールと心筋梗塞のリスク

LDLコレステロールと心筋梗塞のリスク

どのような注意が必要なの?

LDLコレステロールが高い場合

LDLコレステロールが高い場合は特に食事について注意が必要です。食品中の脂肪の大部分を占める中性脂肪には脂肪酸がくっついています。脂肪酸には飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸がありますが、このうち飽和脂肪酸を多く含む脂肪をたくさん食べると肝臓でのコレステロールの合成が促進されます。
一方、多価不飽和脂肪酸はむしろコレステロールの合成を抑える作用があるといわれています。要するに血中のコレステロールを下げるためには、食品としてはコレステロールとは無関係な食事中の中性脂肪の質が問題になってくるわけです。
もちろん食事中のコレステロールが多くても血中のコレステロールは高くなるので、とり過ぎは控えたほうがよいのですが、肝臓で合成されるコレステロールのほうが多いので、まず飽和脂肪酸を控えることが重要となるのです。飽和脂肪酸が多いのは動物性の脂肪ということになります。

とり過ぎ注意

中性脂肪が高い場合
とり過ぎ注意2

基本的にカロリー(エネルギー)のとり過ぎに注意が必要です。よくみられるのは菓子類など糖分の多い間食や清涼飲料水、アルコールの飲み過ぎなのでこれらの量を減らす必要があります。運動不足も大敵です。

HDLコレステロールが低い場合食事の影響をあまり受けませんが、高トリグリセライド血症と同時にある場合は、トリグリセライド(中性脂肪)を下げることでHDLコレステロールを増やすことができます。

また喫煙や運動不足もHDLコレステロールを低下させます。逆にいうと禁煙有酸素運動でHDLコレステロールを増やすことができます。

禁煙しましょう

私たちの細胞が生きていくためには、エネルギー源としてブドウ糖が不可欠です。
血液中のブドウ糖の濃度を血糖値といいます。この貴重なブドウ糖を各細胞にうまく配分していくために、インスリンなどのホルモンが調整役を担っています。
肥満や運動不足の場合には、インスリンの働きが悪くなるため、血糖値が高くなります。
また、加齢や体質によりすい臓からのインスリンの分泌力が弱くなると、太っていなくても血糖値が高くなることがあります。

どのくらいの血糖値だと高血糖ですか?

高血糖の判断基準として用いられるのが、血液中のブドウ糖の量を示す「血糖値」と、赤血球のヘモグロビンが、どれくらいのブドウ糖とくっついているかを示す「HbA1c」です。
空腹時血糖値が100mg/dL以上、またはHbA1cが5.6%以上であると、糖尿病に将来なりやすいので「糖尿病予備群」です。また、空腹時血糖値が126mg/dL以上、またはHbA1cが6.5%以上の場合は糖尿病の可能性が高く、10年後に合併症を起こす危険性が高くなる数値です。詳しい診断のために、ブドウ糖液を飲んで血糖の反応をみる「負荷テスト」を行うこともあります。

健診結果
  空腹時血糖
(mg/dL)
HbA1c
(NGSP)
(%)
異 常

正 常
受診勧奨判定値を超えるレベル 126〜 6.5〜
保健指導判定値を超えるレベル 110〜125 6.0〜6.4
100〜109 5.6〜5.9
基準範囲内 〜99 〜5.5

なぜ高血糖になってしまうのですか?

私たちが食事をすると、血糖値が一時的に上がりますが、普通はすい臓からすぐにインスリンが分泌されるので、細胞内にブドウ糖が取り込まれて血糖値は下がってきます。
しかし、内臓脂肪型肥満や運動不足の場合にはインスリンの働きが悪く、なかなか血糖値が下がっていきません。
またインスリンの分泌量が少ないときも、食事の血糖値が高い状態が続きます。
食べ過ぎて血液中にブドウ糖が多く供給されれば、血糖値は高くなります。
一方、運動すると筋肉にブドウ糖が取り込まれるため、血糖値が早く低下します。
内臓脂肪をためない生活習慣が血管を守り病気を予防します

血糖値グラフ

放置しておくとどうなりますか?

生活改善

糖尿病予備群や軽症糖尿病の段階では、自覚症状はありませんし、ちょっとした生活改善で正常な値に戻ることもあります。
しかし、これまでと同じような生活を続けていると本格的な糖尿病に進行します。
糖尿病の合併症は、糖尿病予備群の段階から進行することも知られています。ですから、本格的な糖尿病を発症する前に、生活習慣を改善し、血糖値をコントロールすることが大切です。詳細は「病気について知る」の糖尿病の合併症をご覧ください。

どんなことを心がけるとよいですか?

まず、肥満の場合は減量が大切です。内臓脂肪が多くなると、インスリンの働きが悪くなり、血糖値が上がるからです。
また、食事のとり過ぎも血糖値が上がりやすい要因です。自分の体格や毎日の活動量に必要なエネルギー量に合わせて、栄養バランスのとれた食事をとることがとても重要です。
定期的な運動は、血液中の血糖を消費するだけでなく、内臓脂肪を減らします。なかでもウォーキングなどの有酸素運動は、内臓脂肪を減らして、インスリンの働きを高める効果があります。
禁煙も重要です。喫煙者は糖尿病にかかりやすいといわれています。喫煙によって交感神経の働きが高くなり血糖値が上がるうえに、インスリンの効きが悪くなるためだと考えられています。また、喫煙者が糖尿病にかかると、非喫煙者と比べて脳梗塞や心筋梗塞で命を落とすリスクが約1.5~3倍も高くなるのです。

定期的な運動は、内臓脂肪減少+血糖値低下のダブル効果

定期的な運動は、内臓脂肪減少+血糖値低下

定期的な運動は、内臓脂肪減少+血糖値低下のダブル効果

食事療法・運動療法

糖尿病の改善のためには、食事療法・運動療法が第一です。 しかし、からだの状況に応じて薬物療法も組み合わせ、血糖値を良好な状態に保つことが重要です。
糖尿病の薬には、インスリンの働きを高める、インスリン分泌量を増やす、炭水化物からブドウ糖への変化を遅らせるなど、さまざまなタイプがあります。
患者さん一人ひとりの高血糖になる原因が違うので、その人に合った薬で血糖値を改善していくことが合併症の予防に役立ちます。「がんばってもなかなか効果が出ない」と一人で悩まずに、医師にご相談ください。

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