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高齢化とともに増加する骨粗鬆症と圧迫骨折の治療と予防

2023年11月27日

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、加齢により骨量(骨のカルシウムの量)が減少して骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。社会の高齢化に伴い、骨粗鬆症の患者数は増加しており、その数は、推定800~1,000万人といわれています。

 

また、圧迫骨折は、骨粗鬆症によってもろくなった脊椎に起こる特徴的な骨折で、腰痛を引き起こす原因の一つとなります。

 

1.骨がもろくなって腰痛に

 

骨粗鬆症は、骨の量が減ってスカスカになり、骨がもろくなる病気で、もろくなった骨が骨折して腰痛が起こることも少なくありません。

 

骨折が起こりやすいのは大腿骨(太ももの骨)のつけ根の部分と脊椎です。脊椎の場合は、とくに腰椎から胸椎を中心に、椎体がじわじわと押しつぶされる圧迫骨折が多くみられます。

 

    【腰椎の圧迫骨折】         

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圧迫骨折はとくに自覚症状もなく起こることが多く、一度圧迫骨折が起きると、連鎖するようにほかの椎体にも圧迫骨折が起こり、脊椎が丸くなり、身長が縮みます。また、骨が折れやすい状態になっているため、軽く転んだ程度の衝撃で簡単に圧迫骨折が起こります。

 

圧迫骨折が起こると、急性の激しい腰痛だけでなく、少したってから強い腰痛が現れることも多く、徐々に圧迫骨折が進んで脊柱が変形し、慢性の腰痛が続くようになります。

 

自覚症状がないまま進行することもあり、圧迫骨折を起こしていても約8割の人は痛みがあるにも関わらず、治療を受けていないと見込まれています。

 

2.骨の再生のスピードが遅くなることが原因

 

骨は絶えず破壊と再生を繰り返しながら新しい骨につくり替えられています。骨の再生には、骨を壊す「破骨細胞」と骨を修復する「骨芽細胞」がバランスをとりながら働いています。これを骨代謝といいます。

bone-metabolism

また、古い骨が壊されることを骨吸収(こつきゅうしゅう)、新しい骨がつくられることを骨形成(こつけいせい)といい、この骨吸収と骨形成がバランスよく行われることで、健康な骨がつくられます。

 

この骨代謝の調整に関わるのが女性ホルモンです。閉経などで女性ホルモンの状態が変わると、破骨細胞が骨を壊す骨吸収のスピードに、骨芽細胞が骨をつくる骨形成のスピードが追いつかなくなり、骨が減り始めます。女性に骨粗鬆症が多いのはそのためです。

 

 

圧迫骨折の治療

 

 

一度、圧迫骨折すると再発しやすくなるため、初期治療が大切になります。強い痛みが急に起こった場合には、非ステロイド性消炎鎮痛薬の内服や座薬、カルシトニン注射(骨吸収を抑制する注射薬)などで痛みをやわらげながら安静にし、ギプスやコルセットで脊柱の変形を防ぎます。

 

また、慢性の腰痛が続く場合は、痛みが強い時に消炎鎮痛薬を使用します。あわせて、脊柱の変形や、圧迫骨折の再発を予防するために、薬物療法、運動療法、食事療法を行います。

 

薬物療法

 

骨粗鬆症による骨折は、薬物療法によってかなり防げるようになってきています。骨の吸収を抑える薬、骨の形成を助ける薬、吸収と形成を調節する薬などを使って症状を改善させます。

 

運動療法

 

運動には、骨を刺激して骨量を維持する効果があり、骨折の最大原因である転倒の防止に役立ちます。日常的に外を歩く機会を増やし、日光に当たると、骨の代謝を司るビタミンDの体内合成にもつながります。

 

介護施設などで、日光に当たらない場所で生活しているような場合は、意識的に日光浴をすると良いでしょう。

 

食事療法

 

日ごろから、牛乳やチーズなどの乳製品、大豆製品、小魚などカルシウムが多く含まれる食品と、その吸収を促すビタミンDが多く含まれる、鮭、さば、いわし、生しいたけ、卵黄などの食品を組み合わせて摂るようにしましょう。

 

なお、腰椎を通る神経が障害され、脚に麻痺などが起こって、日常生活に支障がある場合は、椎体を再建したり、固定したりする手術が検討されます。

 

4.食事と運動で骨粗鬆症を予防!

 

圧迫骨折を起こしたばかりで痛みが強いときは、コルセットなどで固定し、安静を保ちますが、痛みが一段落したらなるべく歩いたり、運動したりするなど、日常生活での活動量を増やすことが大切です。

 

とくに高齢者におすすめの運動は、「背筋運動」、「片脚立ち」、「スクワット」の3つです。 また、ウォーキングもおすすめです。 のんびり歩くのではなく、姿勢をまっすぐにして歩幅を広くし、リズミカルに歩くようにしましょう。 階段の上り下りや散歩の時間を増やすだけでも、骨にはよい効果があります。

 

      【片足立ち】        【イスを使ったスクワット】

standing-on-one-leg squat

   

 

また、骨粗鬆症の予防のためには、日ごろからカルシウムの多い食事を摂ることが大切です。さらに骨に負担をかけないように、肥満の人は適正な体重にすることも大事です。ただし、無理なダイエットや低体重も骨粗鬆症のリスクを高めるので注意してください。

 

まとめ

 

骨粗鬆症は骨の密度が低下することで、骨がスカスカになり、骨がもろくなる病気です。骨粗鬆症をそのままにしておくと、圧迫骨折を起こし、繰り返すようになります。日ごろから、カルシウムの摂取や適度な運動を心がけ、骨粗鬆症を予防する意識が大切です。

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