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内臓や血管の病気が腰痛を引き起こすことも|その他の病気による腰痛

2023年11月30日

腰痛をもたらす病気には、脊椎や腰椎に原因がある場合だけではなく、内臓や血管など別の原因により痛みが生じる場合があります。この記事では、その他の病気による腰痛について解説します。

 

脊椎の感染症

 

化膿性脊椎炎

 

脊椎の骨髄が黄色ブドウ球菌など細菌に感染することで起こります。骨髄が炎症を起こし、化膿します。また、脊椎が破壊され、背中に激痛が走ることもあります。

 

痛みの特徴

安静にしていても痛みは治まらず、重症の場合は背中を前後に曲げられなくなります。また、細菌の種類によっては軽い腰痛程度の場合もあり、見過ごされることもあります。

 

原因

扁桃炎、膀胱炎などで炎症を起こした部位から細菌が血流にのって脊髄に運ばれ、骨髄に感染して起こります。免疫の働きが弱くなっている糖尿病やがん、肝臓病の人などに多い病気です。

 

治療

治療には、抗菌薬の点滴、椎間板内の洗浄、重症の場合は骨固定術、病巣摘出手術や骨移植などを行います。

 

脊椎カリエス

 

脊椎が結核菌に感染して炎症を起こす病気です。進行が遅いので、気づかないうちに脊椎の破壊が広がり、脊椎の変形や下半身の麻痺を起こすことがあります。最近では、結核菌の抗体を持つ人が減り、抵抗力の弱い人が感染する例が増えています。

 

痛みの特徴

最初は軽い腰痛くらいで症状は軽度ですが、進行すると脊椎が破壊され痛みが強くなります。

 

原因

肺結核の病巣から結核菌が血液やリンパ液に乗って脊椎に感染します。結核患者だけでなく感染経験のある人にも発症することがあります。

 

治療

安静と抗結核薬の服用が基本となります。効果がない場合は手術で病巣を切除し、骨移植が行われます。

 

脊椎や脊髄の腫瘍

 

脊椎腫瘍

 

脊椎にできる腫瘍です。脊椎ががん細胞に破壊されて、脊髄や馬尾神経が圧迫され、突然激しい痛みが起こります。

 

座骨神経痛を伴う場合もあり、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症と間違えやすいので注意が必要です。また、骨粗鬆症による脊椎の圧迫骨折や化膿性脊椎炎との鑑別も重要です。

 

痛みの特徴

安静にしていても、どんな姿勢をとっても治まらない、しつこい痛みがあります。進行すると筋力の低下、知覚障害、運動麻痺などが起こり、排尿・排便がしにくくなる場合もあります。

 

原因

がんは原発性の場合もありますが、多いのは肺がん、乳がん、前立腺がん、胃がんなどから転移したがんです。首から臀部まで脊椎のどこにでも、がんが発生する可能性があります。

 

血管の病気

 

閉塞性動脈硬化症

 

動脈硬化によって血液が流れにくくなり、血栓ができて血管がふさがったりする病気です。主な症状は間欠性跛行ですが、腰部脊柱管狭窄症と違うのは、座ったり前かがみになったりしても、立ったまま休むだけで痛みが和らいで歩けるようになる点です。

 

進行すると、足先などが壊死して切断が必要になる場合もあります。まずは、動脈効果の治療が行われます。また、薬物治療のほか、血管拡張術、血行再建術などを行う場合もあります。

 

大動脈瘤

 

血管の一部が詰まり、瘤(こぶ)のようにふくらみます。動脈瘤の血管壁についていた血栓がはがれて足の動脈に流れ、血管をふさぐと、足にしびれや痛みが起こります。大動脈瘤が破裂すると命にかかわるので、動脈硬化の改善をして、大動脈瘤が大きくならないように処置します。

 

内臓の病気など

 

婦人科の病気

 

多くの女性が生理痛で腰に痛みを感じると思いますが、生活に支障をきたすほど痛みが強く、月経困難症と呼ばれるケースもあります。

 

また、大腸菌やブドウ球菌などの細菌に感染して炎症を起こす卵管炎、卵巣炎や骨盤腹膜炎などでも腰痛を起こすことがあります。子宮筋腫や卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)がある人は、菌種や嚢腫が大きくなると腰痛を起こす場合があります。

 

更年期と呼ばれる閉経の前後10年は、自律神経失調などが起こり、さまざまな不定愁訴が現れやすい時期で、腰痛もその一つです。また、子宮や卵巣のがんでも腰痛が起こる場合があります。痛みの原因が婦人科の病気の疑いがある場合は、婦人科を受診しましょう。

 

消化器の病気

 

胃潰瘍や十二指腸潰瘍を起こすと、腰が痛くなることがあります。腰椎の上部を押すと痛むところがあります。また、急性や慢性の膵炎では、腹部の痛みに沿うように背中に痛みを感じる場合があります。

 

その他、胆のう炎や胆石症などで激しい腹痛を起こした際に、右側の腰から背中にかけて痛むことがあります。また、消化器系のがんでも腰痛を起こすことがあります。腰痛以外の症状が併発している場合は、内科や消化器科を受診してください。

 

泌尿器の病気

 

腎臓や尿管を支配している神経は、腰の神経とも関わっているため、泌尿器の病気によって腰痛が起こることがあります。

 

腎臓(尿路)結石で、結石が尿路に落ちたときに背中からわき腹に掛けて痛みが起こります。腎盂腎炎(じんうじんえん)も、背中から腰にかけて重苦しい痛みを感じることがあります。

 

そのほか、膀胱炎、前立腺肥大症、泌尿器のがんでも腰痛を起こすことがあるので、腰痛以外に泌尿器の症状があったら泌尿器科を受診しましょう。

 

まとめ

 

腰痛は、脊椎以外の病気よって痛みが生じる場合もあります。どのような原因が腰痛を引き起こしているか、原因を特定するのが困難な場合もあり、さまざまなケースを考慮して診断、治療が行われます。

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