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腰痛とは?腰と背骨の構造と働きを理解しよう

2023年09月29日

はじめに

 

厚生労働省の令和4年「国民生活基礎調査」によると、腰痛の症状がある人は全国に2,800万人いるとされています。自覚症状の高い病気として常に上位にあがっており、有訴率は男女とも1位となっています。【表1】

 

なぜこれほど多くの人に腰痛が起こるのか。それは2本足で歩くようになった人間の宿命ともいわれています。哺乳類の骨格や筋肉は4本足歩行に最も適しているものとしてつくられており、背骨が水平になることで上半身の重みを支える負担が分散されます。

 

しかし、2本足歩行の人間の場合、背骨が垂直になるため、この負担がすべて腰にかかってしまうため腰痛が起こりやすいのです。

 

【表1】

 

また、日本人に腰痛が多いのは、日本が高齢化社会になったことも影響しています。老化により筋肉が衰え、骨も変形していきますが、これらは腰痛の大きな原因となります。「国民生活基礎調査」でも、年齢が高くなるほど腰痛の自覚症状を持つ人は増えています。

 

だからといって、腰痛は高齢者だけがなる病気ではありません。「国民生活基礎調査」では10代や20代など若い世代でも腰痛があることが示されています。

 

長時間のデスクワーク、パソコンやスマホの操作で前かがみになる姿勢や食生活の飽食化などから運動不足や肥満の人が増えていることなどが要因として考えられ、運動不足は筋力の低下を招き、肥満は体の重みが腰に大きな負担をかけるため腰痛の引き金になります。

 

また、近頃ではストレスが筋肉を緊張させる要因となり、若年者の慢性腰痛の原因の一つとなっています。まさに腰痛は現代の国民病といえるでしょう。

脊柱・腰椎の構造と仕組み

背骨(脊柱)は、1本の骨ではなく、椎骨という骨が24個重なってできており、上から7個の椎骨で構成される頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、仙椎、尾骨から成っています。

 

背骨を横からみると、ゆるやかなS字カーブを描いていますが、この前弯、後弯が頭や体の重みを分散させ、立っているときの姿勢を保ったり、運動による衝撃や筋肉への負担を緩和しています。【図1】

 

【図1】

figure1

 

腰椎の5個の骨は上から第1、第2、第3,第4,第5腰椎と名づけられています。椎骨の前方は椎体が占め、体を支える柱です。その後方には脊髄神経の通り道である脊柱管があります。脳から出た脊髄は腰椎部では神経の束になっており、馬尾神経と呼ばれています。これは神経の束の形が馬の尻尾のようになっているからです。【図2,3】

 

【図2】

figure2

【図3】

figure3                 

椎体と椎体をつなぐ器官が椎間板で、椎体の表面に付着しています。椎間板はゲル状でできている髄核をコラーゲン繊維の繊維輪が取り巻く構造になっています。髄核は上下からかかる圧力を吸収するクッション的な役割を果たしています。腰椎にかかる負荷の多くは、この椎間板で吸収されるのです。

 

上の椎骨の下関節突起と下の椎骨の上関節突起から成る椎間関節も、腰椎にかかる負荷を受け止める役割を担っています。

 

また、椎間板や椎間関節と同じく脊椎を安定させるために、脊椎の周りに靭帯が取り巻いています。椎体と椎間板の前方は前縦靭帯に、後方は後縦靭帯に覆われており後縦靭帯には椎間板が後ろへ突出して脊髄を圧迫しないように抑える役割もあります。【図4,5】

 

【図4】

figure4

【図5】

figure5

せぼねのS字カーブを保つことが腰痛予防・改善のポイント

デスクワークや車の運転で前かがみになることが多かったり、運動不足で筋力が低下しがちな現代人は、背骨のS字カーブを正しく保つことが難しく、そのことが原因で腰痛を起こしやすくなっています。

 

しかし、正しい知識を持ち、姿勢を良くしたり、腰の周囲や足の筋肉を鍛えたりすることで、ほとんどの腰痛は改善できます。

 

よく「治療を受けても治らない」という声を効きますが、腰痛は、本来「治してもらう」ものではなく、「自分で治す」ものといえます。腰痛のタイプに合わせた適切な運動や体操、日常の姿勢や動作の改善などに主体的に取り組むことが、最も有効な治療法であり、再発防止法になります。

 

もちろんセルフケアだけでは難しい重篤なケースもありますが、軽い腰痛症程度であれば、セルフケアを続けることで改善します。

 

 

腰を支える筋肉のしくみ

私たちが直立するとき、重力に逆らいながら姿勢を保っていますが、このときに使う筋肉を「抗重力筋」といいます。

 

とくに背骨を支えている筋肉は、背中にある脊柱起立筋、お腹にある腹筋群、おしりの大殿筋です。これらがバランスをとりながら背骨をゆるやかなS字カーブに保っています。しかし、いずれかの筋肉が衰えたり、強く働いたり、肥満になったりすると、姿勢が崩れ腰痛の原因になります。【図6,7,8】

 

【図6】脊柱起立筋

figure6

【図7】腹筋群

figure7

 

【図8】大殿筋

figure8

また、腰椎のなかでも第4腰椎と第5腰椎のあたりは、全体重の6割がかかっているといわれます。それを支える腹筋や背筋などの筋肉が、加齢、運動不足、肥満などによって衰えると、背骨のS字カーブが崩れ腰痛の原因となるのです。

 

このように腰痛は骨だけの問題ではなく、悪い姿勢や運動不足による筋肉の衰え、肥満などによって、背骨のS字カーブが崩れることが関係しています。逆の言い方をすれば、こうした点を改善することによって、腰痛の予防や改善につながります。

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